猫の健康管理

猫の血尿の原因・オスメス・自然治癒・治療法・治らない時は

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猫の血尿

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猫の血尿の原因と治療方法

猫の血尿の原因・オス

オス猫の血尿の原因として考えられる病気には様々なものがありますが、代表的なものとして特発性下部尿路疾患(膀胱炎)、尿結石があります。

特発性下部尿路疾患とは、原因が明確に確定できない、猫に特有の泌尿器系の病気のことです。

猫の祖先は中東の砂漠に生息していたこともあり、現在飼育されている猫は水分量が少なく濃い尿を産生します。そのため、泌尿器系の病気が多くみられます。

血尿以外に、頻尿・排尿困難・尿道閉塞などが見られます。特にオス猫は尿道が細く長いため、尿道閉塞を起こす可能性が高くなっています。

閉塞のある場合は緊急を要し、処置が遅れると腎不全を引き起こし死に至る危険性があります。

尿結石は、腎臓・尿管・膀胱・尿道のどの部位でも形成されます。

それぞれ腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石と呼ばれます。腎結石と尿管結石はまれで、結石の多くは膀胱で形成され、尿道を通って下降します。

結石の成分には主に2種類あり、最も一般的な結石はストルバイトで、次いでシュウ酸カルシウム結石、その他に尿酸塩結石などがあります。

ストルバイト結石はリン酸マグネシウムアンモニウムと呼ぶこともあり、猫に発生する結石の65~75%とも言われています。

ストルバイトが形成される主な原因は、食餌が体質に合っていないか、フード以外のおやつを与えた時です。

カルシウム・マグネシウム・リンなどの、ストルバイトを形成するのに必要な栄養素を多く摂取することで、発症してしまいます。

飲水量が少なく尿が濃縮されることでも発生しやすくなります。猫は、夏場は水をたくさん摂取しますが、冬になると水分摂取量が減るので尿結石ができやすくなります。

その他、血尿の原因となる病気としては膀胱の腫瘍・血小板と凝固系の疾患(止血異常)・ハインツ小体性貧血(玉ねぎ中毒)・肝臓や胆嚢、胆管の疾患、ヘモバルトネラ症(病原体により赤血球が破壊される病気)などが挙げられます。

猫の血尿の原因・メス

メス猫の血尿の原因は、基本的にはオスと同じになります。

違いとしては、メス猫の方がオス猫よりも尿道が短く、細菌が膀胱に侵入しやすい環境であるため、細菌性の特発性下部尿路疾患にかかりやすい傾向があります。トイレはいつも清潔に保ちましょう。

また、オスでは膀胱内の尿結晶が尿道に詰まりやすいのに対し、メスでは尿道が短く真っ直ぐなため、詰まることは殆どありません。

猫の血尿が治らない

猫の血尿が治らない

猫の血尿は、すぐに治るものではありません。下部尿路疾患では抗生物質の継続的な投与が必要です。

薬を飲ませても様子が変わらないようであれば、 薬が体質に合っていない可能性があるので獣医さんに相談します。

また、下部尿路疾患は再発率が高く約60%の猫が再発するとも言われています。

尿結石がある場合は、原因である結石がある限り膀胱や尿道を傷付け出血するため、結石がなくならない限り血尿が続きます。

猫の血尿って自然治癒するの?

猫の血尿は、基本的には自然治癒しないものと考えましょう。

軽度の膀胱炎で、細菌が原因の場合には自然治癒する可能性もありますが、もし細菌性でなかった場合は重症化する危険性があります。

動物病院を受診し、獣医さんの指示に従うようにしましょう。

猫の血尿の治療法

下部尿路疾患では、最低2週間は抗生物質の投与が必要になります。膀胱は薬の成分が届きにくい場所であるため、すぐには改善しないものと考えましょう。

尿結石では、尿道閉塞の有無によって治療法が異なります。

閉塞がある場合はすぐに閉塞解除の処置(導尿処置)を行います。この処置は痛みを伴うため、猫が暴れて尿道を傷付けることを防ぐためにも鎮静または麻酔を処置した上で行います。

同時に血液検査、超音波検査、尿検査などを実施して病態を把握し、検査結果に基づいた治療を行います。

尿道閉塞がない場合は、病態に応じて血液検査や超音波検査などを行います。

その後は、抗生物質や止血薬で治療しますが、食餌の管理も大切になります。

尿石や結晶尿の発生を抑えるための食餌(処方食)を与え、尿を希釈するために、缶詰めなどを使い水分を積極的に摂取させましょう。

 



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