猫が伸びる理由
猫が良く見せるポーズと言えば体を伸ばす仕草です。
お尻を高く上げて背筋を伸ばし足を前に出す独特の仕草は、見るからに気持ち良さそうです。
実はそれほど深い意味はなく、単なる気分転換としてやっているに過ぎません。
人間もホッと一息ついたときに両手を伸ばす仕草を見せますがそれと同じです。
伸びをすることでこわばっていた筋肉をほぐしたり、血行を良くする効果が期待できます。
とはいえ当の猫はそこまで意識してやっているわけではないでしょう。
いずれにしても猫がリラックスしていないと伸びをすることはありません。
なので飼い主さんの前で伸びをするということは、周りを警戒する必要がなく安心しているということになります。
猫はそのときの気まぐれで伸びをします。
何の前触れもなく突然行うため、「伸びをしている猫を見たい」と思ってもなかなか見ることができないことがあります。
歩き出すときや寝起きに行うことが多いため、よく観察していれば1日に何度も伸びを見ることができます。
逆に伸びを全くしないときは注意が必要です。伸びは全身で行うため、関節や筋肉の動きが重要になります。
そのため関節や足に痛みがあると伸びをしなくなります。
特に年老いた猫は「関節痛」を発症しやすいため、伸びを行う頻度が減っていきます。
伸びをしないときは歩き方をよく観察して、異常がある場合は動物病院で診てもらってください。
猫が丸くならずに伸びて寝るのはなぜ
寝ているときに体を伸ばすのは、気持ちが落ち着いて安心しているからです。
伸びは体を大きく見せるため、外敵に発見されやすくなります。
よその猫や犬などの自分より大きな動物、知らない人間を警戒している猫は、無意識のうちに体を小さく見せようとします。
体を伸ばして寝ることはなく、頭と足をくっつけるようにして丸く小さくなって寝ます。
なので飼い主さんは愛猫が安心して寝られる環境を用意しましょう。
多頭飼いの場合は、同居猫同士で場所に取り合いになることがあります。
寝床をいくつも用意して、猫が安心できる場所を自分で選べるようにすると、毎日のように伸びて寝るようになります。
猫が伸びるのは暑いから?
猫の寝相は気温によって大きく変化します。
人間もそうですが寒いと感じると、筋肉がこわばるため自然と縮こまって寝るようになります。
気温が上がりポカポカと暖かくなると、筋肉がほぐれて血行も良くなるため、少しずつ体が伸びていきます。
そして暑いと感じると、長く伸びてお腹を出して寝るようになります。
人間で言うところの大の字状態です。
もちろんこれはかなり無防備な姿ですから、いくら暑くてもリラックスしていないと見せることはありません。
猫が伸びて寝ているのを目撃したら室温をチェックしましょう。
あまりに暑すぎると「熱中症」になったり、脱水症状を起こす恐れがあります。
伸びて寝ている猫は愛らしくついずっと見ていたくなりますが、室温を調整して愛猫の健康に配慮することを忘れずに行ってください。