猫がシャーと威嚇する理由
警戒心の強い猫に不用意に近づくと「シャー」と威嚇されることがあります。
人間に対して行うほか、折り合いの悪い猫や自分より大きな犬などの動物に対しても行います。
ほかにも喧嘩の直後や掃除機の音などで怯えている状態であったり、外出先や動物病院など慣れない場所で威嚇のために行います。
これは決して自分から喧嘩を仕掛ける好戦的なサインではありません。シャーによって「こっちに来るな!」と相手を牽制し、無用な争いを避けたいという意図があります。
つまり攻撃の手段ではなく、防御の手段としてのシャーなのです。ですから威嚇された相手がその場から居なくなれば、不戦勝ということになります。
猫にとっては相手に自分を強く見せることができ、喧嘩によって体力を消耗したり怪我をするのを避けることにも繋がり一石二鳥です。
猫の威嚇を対処やしつける方法
・静かに立ち去る
シャーは来客など知らない人間に対してだけでなく、飼い主に行うこともあります。
主に家に迎えて間もない猫によく見られます。
シャーと何度も威嚇する猫は恐怖を感じて警戒心を露にしています。
いかに飼い主といえども、このような臨戦態勢の猫に不用意に近づくのは逆効果です。
かえって猫を刺激してしまい、引っ掻かれたり噛まれたりするだけです。
シャーと威嚇されたら、猫を刺激しないように静かに立ち去りましょう。
威嚇していた猫も時間が経てば落ち着いて冷静さを取り戻します。
・なだめたり叱っても効果はない
一緒に暮らしている猫にシャーと何度も威嚇されると少なからずショックを受けます。
だかといって「コラッ!」「ダメでしょ!」などと叱ったり、「大丈夫だよ」などとなだめても効果はありません。
猫は相手に立ち去って欲しくて威嚇しているのです。
飼い主が叱ると、猫は自分を攻撃しようとしていると受け取ってしまいます。
なだめられても警戒心が解けることはありません。
また恐怖で平常心を失っている状態では、叱られても相手の意図を理解できません。
・生活環境を見直す
シャーを行う頻度は警戒心の強さを表しています。
なのでシャーを頻繁に行うということは、猫が強いストレスを感じていることを意味しています。
猫は環境の変化に弱い生き物です。
引越し、家族が増えた、新しい猫を迎えた、犬を飼いはじめた、といったことが強いストレスになり、シャーの頻度を増やしてしまいます。
そこで愛猫が安心して暮らせるように、生活環境を見直しましょう。
愛猫の臭いがついたベッドやおもちゃを近くに置くと、自分のテリトリーだと認識することができ効果的です。
来客が多い家や、家族が増えたり新しい猫を迎えたときは、キャットタワーやダンボール箱など隠れられる場所を用意しましょう。
押入れをちょっとだけ開けておくのも効果的です。
猫が威嚇するときに臭いにおいも出るの?
猫がシャーと威嚇したときに異臭を感じることがあります。
これは足裏や肛門から警戒フェロモンを分泌しているためです。
危険を感じたり周囲を警戒するときに分泌されるフェロモンで、人間で言うところの冷や汗みたいなものです。
ほかにもフェロモンではありませんが、シャーで相手が立ち去らずに怖くて逃げ出した猫がおしっこをすることがあります。
負け惜しみの最後っ屁みたいなもので、マーキングの意味があるため臭いは強烈です。
いずれにしても家の中ではかなり気になりますから、愛猫の警戒心を解いてシャーをしないで済む環境を整えましょう。