猫がイカを食べて腰を抜かしたりするの?
猫にイカを大量に与えると、脳や筋肉に十分な栄養がいきわたらなくなります。
イカの成分はチアミナーゼと呼ばれる酵素が含まれているため、猫に必要なビタミンB1を壊してしまう働きがあるのです。
これを「ビタミンB1欠乏症」と言います。
猫は犬よりも大量のビタミンB1を必要とする生き物です。
しかし、猫は肉食の生き物のため、ビタミンB1を体内で作れません。
食事から栄養を補給しなければいけませんが、イカに含まれるチアミナーゼで、ビタミンB1が不足し脚気や歩行困難といった症状が現れるのです。
猫がイカを食べて腰を抜かしているように見えるは、ことから由来がきているのかもしれません。
猫にイカがダメな理由
イカの栄養素はカルシウム、タウリン、DHAなどを含んでおり栄養価も高い食材です。
しかし、猫にイカを与えると、生きていくために必要なビタミンB1を破壊します。
猫にとってビタミンB1とは、炭水化物の代謝、エネルギーの生産など栄養素の1つです。
精神状態の改善、神経の働きを助ける、筋肉、心臓の機能の回復、疲労回復に効果が期待できる水溶性のビタミンです。
ビタミンB1の不足が続くと、脱毛や口内炎などの原因につながります。
初期症状では、よだれや、食欲不振が目立つでしょう。
栄養不足が続くと体は痩せて元気がなくなり、足のむくみなども引き起こします。
最終的に自力で立つことも難しくなってくるのです。
猫は食事から人間の7倍、ビタミンB1を摂取しなければいけないと言われています。
イカが含まれているキャットフードもありますが、あえて与える必要はありません。
一時的な症状と考えず、大量のよだれや、食欲不振などの状態が続くようであれば獣医師へ相談してください。
天日干しにされて縮んでいるスルメなどは、胃に入り水分が加わると膨張し呼吸困難に陥る場合もあります。
さらに、サキイカなど塩分を含んでいるものも注意が必要です。
イカはミネラルを含んでいるため「尿路結石」の原因にもなります。
トイレの回数が増える、血尿などが現れます。
腎臓にも負担がかかるため、イカを与えるのは控えるべきでしょう。
猫がイカを食べた時の対処法
数時間以内に生のイカを食べてしまった場合、命にかかわる症状が現れる場合がありますので処置が必要になります。
摂取量は猫によって変わりますが、
・元気がない
・食欲不振
・けいれん
・歩行困難
・硬直
・瞳孔がひらく
・よだれをだす
と言った症状が現れたらすぐに獣医師に相談してください。
放置したまま重篤になり48時間以内に死亡したケースもあります。
イカを食べてすぐに症状が出るケースが多いため、体が硬直している時や、けいれん起している時は危険です。
治療法は注射や内服薬でビタミンB1を投与するのが一般的で、1日を目安に落ちつくと言われています。
イカは釣り上げてから、時間の経過と共にチアミナーゼの量も増えます。
本来の新鮮なイカは無色透明ですので、スーパーで売っている白い刺身用のイカは注意しましょう。
猫にいかがダメならタコもダメなの?
タコにも同様のチアミナーゼが含まれているため、生のタコは与えない方が良いでしょう。
ですが、チアミナーゼは熱に弱いため、過熱をすると簡単に破壊します。
イカやタコなどは、茹でる・焼くなどをして与えると問題はありません。
電子レンジでの調理は「爆発」の恐れがあるため控えましょう。
しかし、タコは消化不良を起こす危険性があり、下痢や便秘の原因の一つになります。
タコは弾力性があり過熱をすると固くなります。
喉に詰まらせる場合もあるため注意してください。
イカやタコが含まれている市販のキャットフードは、すべて加熱処理をしているため与えても安全でしょう。
しかし、猫は気に入った食べ物の味を覚える特徴があるため、イカやタコの味を「美味しい」と感じると永遠に食べ続けます。
できれば、猫が味を覚える前に、イカやタコを与えない方が安全と言えます。
手作りフードなどは、細心の注意をはらい猫に与えるようにしましょう。