猫のチアノーゼ
猫のチアノーゼとは
正常な猫の舌の色はやや濃いめのサーモンピンク色ですが、呼吸困難の症状に伴い赤紫色から青紫色に変化します。
猫のチアノーゼの原因
チアノーゼは低酸素状態に陥っている状態を示しています。
血液中の酸素が欠乏する原因には
心室中隔欠損症
心房中隔欠損症
動脈管開存症などの心臓疾患
猫喘息
肺炎などの呼吸器疾患
そのほか熱中症や
低体温症などがあります。
猫のチアノーゼの症状
血液中の酸素が欠乏し舌が赤紫色から青紫色になります。
猫は前肢を開いて胸を広げるように呼吸をしたり、背中を丸める姿勢を取ります。
重症の場合には立つことが出来ずに横になってしまいます。
チアノーゼに伴い血圧や脈拍の変化・疲労感や不安感を示すことがあります。
元気消失や食欲低下、体重減少などの症状が認められます。
猫喘息の場合ではヒューヒュー、ゼーゼーと苦しそうな異常呼吸音を伴い、痰が出たり咳込みが酷くなります。
肺水腫などの肺疾患の場合には、口を大きく開けて浅く速い呼吸をし、症状が悪化すると深く速い呼吸になります。
泡を吐くこともあります。
猫のチアノーゼの対処方法
興奮や緊張、不安は呼吸困難を悪化をさせる原因となります。
飼い主さんがまずは落ち着き、優しく声をかけたりして猫を安心させましょう。
体温の上昇があれば、気温を下げて酸素の消費量を少なくすることを心がけます。
風通しの良い涼しい場所に移動し、新鮮な空気を吸わせましょう。
うちわや扇風機を利用しても良いです。
そして、なるべく早く動物病院へ向かいます。
チアノーゼが見られるときは早急かつ慎重な処置を必要とする緊急状態なので状態が落ち着いてきたとしても受診しましょう。
車の中も暑ければエアコンをかけましょう。
もともとチアノーゼを引き起こす可能性のある病気を患っている場合には、ペット用の酸素室をレンタルしておく方法もあります。
酸素室に入ると、猫は呼吸がとても楽になります。
但し、酸素室の使用には注意が必要です。
室温管理が難かしかったり、機械から特有の音がしたり、狭い酸素室に入れられることで猫によっては反ってパニックを起こして症状が悪化してしまうことがあります。
それなりの費用もかかるので、メリットとデメリットを考えレンタルを検討しましょう。
猫のチアノーゼの治療方法
チアノーゼは命に関わる危険な状態なので、緊急処置が必要です。
病院ではすぐに空気よりも高濃度の酸素投与を開始し、体温の上昇があれば保冷剤や濡らしたタオルを使用し体温を下げます。
集中治療室(ICU)の設備が整っている病院では、集中治療室内で酸素濃度と温度・湿度を同時に管理します。
重症の肺疾患の場合、緊急処置を続けても改善する様子が見られずにそのまま失神し呼吸が停止してしまう危険性があるので、気管チューブを挿入し呼吸管理をします。
原因が胸水や腹水の貯留による呼吸困難であれば利尿剤を投与したり、穿刺により貯留液を除する処置を行います。
気管支炎や肺炎が原因の場合には抗生物質や抗炎症剤を投与します。
また、咽頭麻痺や咽頭腫瘍などがある場合には緊急手術により気管切開を行うことがあります。
対症療法としては気管支拡張剤や鎮咳剤、去痰剤、ステロイド剤などを投与するなどの呼吸を楽にするための治療が行われます。