猫の病気

猫の門脈シャントとは・症状・寿命・食事・検査・手術費用・術後の注意点

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猫 門脈シャント

Contents

猫の門脈シャントについて

猫の門脈シャントとは

正式には門脈体循環シャントと言い、他にも門脈体循環短絡症やPSSと呼ばれることがあります。

健常な猫では体内で作られたアンモニアなどの毒素は消化管から吸収され、門脈と呼ばれる血管を通り肝臓に運ばれ、肝臓で無毒化されます。

門脈シャントでは、この門脈が異常な血管(シャント)により静脈(体循環)とつながり、本来であれば肝臓で無毒化されるべき有害な物質が処理されることなく直接体循環に流れ込んでしまい、様々な障害が引き起こされます。

先天性のものと肝臓病などにより引き起こされる後天性のものがあります。

更に、シャントが肝臓の中にある「肝内性」と肝臓の外にある「肝外性」に大きく分類されます。

猫の門脈シャントの症状

アンモニアなどの毒素が全身に巡ってしまうため、様々な合併症を起こす危険性があります。

症状は多岐に渡り、特異的な症状があまり無いため診断は困難です。

先天性の門脈シャントでは主に食欲不振や発育不全などが認められ、後天性では痩せる・食欲不振・腹水症などが見られます。

毒素を肝臓で解毒出来ないため、
食後に嘔吐したりよだれ
徘徊
一方向に回転する
痙攣などの肝性脳症の症状
呼吸困難などの呼吸器症状
下痢
腹囲膨満
盲目
が見られます。

肝臓で代謝されなかったアンモニアや尿酸の尿中濃度が増加してしまい、血尿やアンモニウム結晶、尿結石を発症することもあります。

猫の門脈シャントの寿命

猫 門脈シャント

内科療法のみの場合、2ヶ月から2年であるとの報告があります。

術後の経過が良好で、神経症状などの後遺症が出なければ、寿命はなかり伸びます。

術後に合併症を引き起こしてしまうと予後不良になることが多いです。

猫の門脈シャントの食事

低タンパクの療法食を少量ずつ頻回与えることにより血液中のアンモニア濃度が上昇しないようコントロールします。

獣医師の指示の下与えましょう。

猫の門脈シャントの検査費用

血液検査や超音波検査・MRI検査・CT検査などに10万円くらいかかります。

猫の門脈シャントの手術費用

動物病院や、手術の方法などにより様々ですが、シャントの部位によって手術を複数回に分けて行う場合も多いです。

そのため、手術費は高額になることもあります。

1回の手術につき10~20万円くらいかかります。

2回目以降は少し安くなる傾向があるようです。

猫の門脈シャント術後の注意点

合併症として「門脈高圧症」や「結紮後痙攣症候群」が起こることがあります。

急性の門脈高圧症では、
腹水
貧血
黄疸
低血圧性ショック
などを起こし虚脱状態になり、死に至ることが多いです。

結紮後発作症候群は術後およそ4日以内に起こる原因不明の症候群であり、様々な説がありますが低血糖症や肝臓血管の急激な再開に伴った代謝物による影響が疑われています。

痙攣が止まらなくなるため麻酔薬などで発作を止めますが、非常に予後が悪いです。

また、術後数ヶ月~数年の経過観察の中で発作が残ることがあるため、この病気は術後も継続的な検査と細かなケアが必要になります。

 



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