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猫の椎間板ヘルニアについて
猫の椎間板ヘルニアの原因
椎間板は、脊椎と脊椎の間でクッションのような役割を果たしています。
中心にあるゼリー状髄核と、その周りにある繊維輪から構成されています。
椎間板に無理な力が加わると髄核が飛び出し、脊髄を圧迫した状態になります。
これが「椎間板ヘルニア」です。
猫が椎間板ヘルニアを発症する原因には、交通事故や高所からの落下などにより瞬発的に外圧がかかることや、肥満や老化によるものなどがあります。
また、マンチカンなど短足の猫や小型の猫は遺伝的に軟骨の形成に異常がある場合が多いため、椎間板ヘルニアを発症しやすいと言われています。
猫の椎間板ヘルニア症状・初期症状
初期では突然身体に触れられることを嫌がるようになったり、段差を上り下りすることが困難になります。
頸部にヘルニアを発症した場合は、上を向けない・頸に触れると痛がるといった症状があります。
胸腰部に発症した場合は、背中を触ると痛がる・動きたがらない・歩行困難などが見られます。
重症化すると、後足や尾の感覚が消失し、自力で排泄出来なくなります。
猫の椎間板ヘルニアは治る?
ヘルニアの程度にもよりますが、軽度で初期に治療を開始すれば完治の可能性は十分にあります。
特に症状が重い、深部痛覚が消失してしまっている場合では、手術が遅れると回復の見込みは非常に低くなります。
椎間板ヘルニアを治すためには、早期発見・早期治療が最も重要になります。
少しでもヘルニアが疑われる症状があれば、早急に動物病院を受診しましょう。
猫のヘルニアのサプリメント
軟膏を構成するグルコサミンやコンドロイチン、ビタミンなどの成分を含むサプリメントが有効です。これらは加齢と共に身体の中で作られにくくなるため、高齢猫にはサプリメントでの摂取が有効とされています。
「緑イ貝」も関節痛の緩和や老化防止に効果が期待できます。
動物病院では「プロモーション」や「ニューロアクト」といったサプリメントが紹介されています。
猫のヘルニアの薬
ステロイド剤や消炎鎮痛剤を投与します。
痛みが強い場合に鎮痛剤を使用しますが、痛みが軽減されると動きまわってしまい症状が悪化することもあるので注意が必要です。
手術適用された場合には、手術後に抗生物質などを投与します。
猫のヘルニアの手術費用
病院によって大きな差がありますが、目安として10万~50万円程度かかります。
手術代の他に血液検査代やレントゲン検査代、MRI検査代、CT検査代、入院費などがかかります。
猫のヘルニアの治療法
ヘルニアを起こしている部分を動かさないことが最も大切です。
動かすと痛がるだけでなく、治りが遅くなったり、完治が困難になる危険性もあります。
軽度であればステロイド剤などを投与する内科的治療を行いますが、重度で手術が必要な場合には膨らんだり飛び出している椎間板を除去し、脊髄への圧迫を解除します。
手術後にはリハビリテーションが必要になります。
肥満であれば、症状が改善した後体重管理をする必要があります。
猫のヘルニア手術後のリハビリ
マッサージやストレッチ・温熱療法・レーザー・超音波療法などを行います。
猫が嫌がらなければ、退院後も自宅で積極的にリハビリを行いましょう。
リハビリの方法は症状などにより異なるので、必ず病院で指導を受けてから行いましょう。
自己流のリハビリは症状を悪化させてしまうこともあります。
猫のヘルニアで気を付けたい散歩の仕方
猫は慎重で、物音に敏感な生き物です。
散歩中に他の生き物に遭遇したり物音に驚くと、突発的にジャンプをしたり、思わぬ行動に出ることもあります。
ヘルニアが完全に治らないうちは散歩は控えましょう。