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犬の膀胱炎の原因
原因はいくつかありますが、犬では細菌感染を起こすことにより膀胱に炎症が起こるパターンが圧倒的に多いです。
特に雌犬は尿道(尿道口から膀胱まで)の長さが短いため、膀胱炎を生じやすいという特徴があります。
糖尿病や慢性腎臓病、副腎皮質機能亢進症などの病気を患っていると免疫力の低下などを理由とし膀胱炎にかかりやすくなります。
尿結石や膀胱腫瘍なども膀胱炎の原因となります。
犬の膀胱炎の症状
頻繁に排尿姿勢を取るが尿が少量しか出ない
いつもと違う場所で排尿する
排尿時に痛がる
尿が濁る
尿の臭いがきつくなる
尿失禁
排尿困難
などの症状を示します。
また、炎症に伴い膀胱内で出血を起こすため血尿が出ます。
初期には排尿の終わりに数滴血が混じる程度ですが、症状が進行すると始めから血尿が出るようになり、尿の色も濃くなります。
犬の膀胱炎は自然に治るのか
初期で症状の軽い場合には自然治癒することもあります。
しかし、治癒を待つことで膀胱炎が長引いたり再発を繰り返していると、細菌が膀胱から腎臓まで上がっていき炎症を起こす「腎于腎炎」になる場合があります。腎盂腎炎になると発熱や嘔吐を示します。
腎盂腎炎は治療による回復が見込めますが、中には完治せず慢性腎不全へ移行する場合もあります。
また、膀胱の感染に伴い、膀胱の組織がはがれ落ちたり壊死したものが核となり、結石を形成する原因になることもあります。
これらの理由から、自然治癒を待つことはお勧め出来ません。
犬の膀胱炎で気を付けたい食事
膀胱炎の原因が尿結石によるものであれば、食餌管理が非常に大切になります。
マグネシウムやカルシウムなどを多く含む食餌を与えると尿中に排泄されるミネラル成分が多くなり、これらを材料とした結石が作られやすくなります。
予防としては煮干しや海苔などのおやつを控え、栄養バランスのとれた総合栄養食を与えます。
結石になってしまったら、結石の種類にもよりますが獣医の指示に従い専用の療法食を与えるなどの治療を行います。
犬の膀胱炎でおすすめのサプリメント
原因にもよりますが、人の膀胱炎と同様、クランベリーエキスを含むサプリメントが有効とされています。
クランベリーには尿のpHを酸性に傾ける作用があり、犬の膀胱炎用のサプリメントの殆どに含まれています。
動物病院でも処方されている日本全薬工業の「ウロアクト」は、クランベリーパウダーや利尿作用をもつウラジオガシエキスなどを配合しており、膀胱炎に対し有効とされています。
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犬の膀胱炎を繰り返す・予防方法
中途半端な治療では膀胱内の細菌を減らしきれずに再発します。
症状が見られなくなったからと自己判断で薬の服用をやめてはいけません。
膀胱炎そのものは致命的な病気ではありませんが、再発を繰り返していると腎于腎炎を起こしたり膀胱癌の発症率が高まるというリスクが生じます。
予防としては、新鮮な水を与え、飲水を促すために適度に運動させ、排尿は必要以上に我慢させないようにしましょう。
ストレスをためさせないことも大切。
また、肥満は尿石症の原因になるため適正体重を維持させるよう心がけましょう。
犬の膀胱炎の治療方法
単純な細菌による膀胱炎では抗生物質を服用し治療しますが、獣医師の指示に従い一定期間服用を続けることが大切です。
一般的には最低2週間は服用する必要があります。
水を良く摂取させ、排尿回数を増やし細菌を体外に排出させることも重要です。
水飲みの場所を増やす、新鮮な水を与える、水分含量の多いフード(ウェットフード)を与えるなどの工夫をしましょう。
尿結石が原因の場合は、結石の種類にもよりますが療法食を与えたり、結石の摘出手術を行います。膀胱腫瘍では、抗癌剤の投与や外科手術を行います。