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犬の腎不全の原因
腎不全には腎臓病には、数時間から数日で腎臓の機能が低下する「急性腎不全」と、数ヶ月~数年かけて腎臓の機能が徐々に低下する「慢性腎不全」があります。
急性腎不全は原因のある場所により腎前性・腎性・腎後性に分けられます。
腎前性は、心臓病や熱中症などにより起こるもので、腎臓への血流量が低下することにより生じます。
腎性は、レプトスピラ症などの感染症や中毒などで腎臓自体に障害が起きることが原因となります。
犬の腎臓に対し中毒になるものには、
ぶどう
ユリ
不凍液
人用の鎮痛剤(イブプロフェンなど)
農薬
除草剤
鉛の入ったペンキ
などがあります。
腎後性は尿道閉塞や膀胱腫瘍など、尿管・膀胱・尿道のいずれかが障害を受けることにより尿が体外に排出されなくなり起こります。
慢性腎不全の原因は、糸球体腎炎や腎臓腫瘍などの腎機病や糖尿病が原因となったり、リンやたんぱく質を過剰に摂取して発症する場合もあります。
急性腎不全が数ヶ月続くことで慢性腎不全に移行することもあります。
犬の腎不全は治るのか
急性腎不全は、早期に適切な治療を行うことで治癒が期待出来ます。
但し、いずれ慢性腎不全へ移行する可能性が高いため、継続的な治療が必要になるケースが多いようです。
慢性腎不全は、完治することはありません。
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犬の腎不全の症状・末期
急性腎不全では「尿毒症」という状態になることがあります。
尿毒症の症状は
全身症状(元気が無くなる・意識低下・低体温・体重減少・口臭など)
消化器症状(食欲不振・口内炎・嘔吐・下痢など)
神経症状(痙攣・昏睡など)
が見られます。
慢性腎不全では、初期には無症状の期間がありますが徐々に飲水量が増え、尿量が増します。
嘔吐や体重減少、貧血などが見られるようになり、末期になると尿毒症を起こし、前述したような症状が見られます。
犬の腎不全予防
腎不全は早期発見・早期治療が大切で、その後の生活に大きく影響します。
急性腎不全を予防するには、腎臓にとって中毒性のある食物や植物、化学物質、人の鎮痛剤などを誤って摂取しないように注意します。
また、腎不全の原因となるレプトスピラはワクチンによる予防が可能です。
慢性腎不全の予防は、適度に水分を摂取し排尿回数を増やすことで腎臓を保護できます。
飲水を促すためにも適度な運動が必要なので、十分に散歩させたり、遊ぶ時間を設けましょう。
排尿は我慢させないようにします。
栄養バランスの整った食餌を与えることも大切です。
初期は無症状ですが、尿検査や血液検査で発見できることもあります。
健康そうに見えても、定期健診を受けることが重要です。
また、急性腎不全から慢性に移行することもあるため、初期のうちに治癒させることも大切です。
犬が腎不全で気をつけたい食事
慢性腎不全の場合、リンやたんぱく質を制限する必要があります。
腎臓病用の療法食を与えることが理想的です。
犬が腎不全で食事を食べない時
ドライフードであればお湯でふやかしたり、ウェットタイプであれば温めて香りを出すなどの工夫しましょう。
療法食を与えても嫌がり全く食べない場合は、療法食の効果を得られないばかりか脱水を更に悪化させ、飢餓状態になり身体にとって様々な悪影響を及ぼします。
この場合はとにかく療法食でなくても良いので食べる物を与える必要があります。
犬の腎不全・余命
急性腎不全は、原因にもよりますが数日で命を落とすこともあります。
回復した場合も、多くは慢性に移行します。
慢性腎不全は、早期に治療を開始することで平均して1年半~2年生存できるとされています。
犬の腎不全の治療方法・治療費
急性腎不全では短時間で死に至る可能性があるため直ちに治療を開始する必要があます。
基本的には入院し、点滴による水分補給やナトリウム・カリウムなどの電解質の補正、吐き気止めなどの処置を行います。
尿道の閉塞があればまず閉塞を解除する処置を行う、中毒性物質を摂取し時間があまり経過していない場合には催吐処置を行うなど、原因となる病気があれば、その治療も行います。
治療費は、動物病院や犬の大きさ、重症度により異なりますが、数日の入院費や点滴代などに数万~10万円ほどかかります。
透析による治療法もありますが、透析を行える施設は少なく10万円ほどかかるため、一般的ではありません。
慢性腎不全では、腎不全の進行を遅らせQOL(生活の質)を維持することが治療の目的となります。
食餌療法や点滴による水分補給、血圧を下げる薬や、尿毒素を吸着し便と共に排出する経口吸着剤の使用、増血剤などによる治療があります。
治療費は、初回には血液検査や尿検査などを行い数万円かかりますが、その後の通院は通常1回数千円くらいになります。
腎臓病用の療法食を与える場合は1㎏2千円くらいです。
一般的には治療は長期間にわたるので、費用が不安であれば獣医に相談してみましょう。