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犬の歯槽膿漏の症状・予防・治療方法・費用・薬・サプリメント・保険

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犬の歯槽膿漏

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犬の歯槽膿漏について

犬の歯槽膿漏の症状

歯肉炎が重篤化し、歯を支える組織まで炎症が波及したものを歯槽膿漏といいます。

犬、特に小型犬や短頭種犬は歯の隙間が小さく、歯垢が溜まりやすい為、歯槽膿漏になりやすいと言われています。

犬の歯槽膿漏の症状で多いのは口臭、口腔内の不快感、摂食拒否、嚥下困難、流涎などです。

口臭は歯槽膿漏の原因である歯垢が口腔内の細菌により分解されて発生する揮発性ガスが原因です。

この揮発性ガスは様々な機序により歯周組織の炎症をさらに増悪させてしまいます。

炎症が進行していくと、皮膚や口腔粘膜に瘻管を形成し、穴が開いてしまいます。

犬では唾液が分泌される部位の近くの歯である上顎の臼歯で歯肉炎が発生しやすく、このような瘻管が形成されると、くしゃみ、鼻汁、目の下が腫れるといった症状が出てきます。

炎症が拡大すると顎の骨が脆くなり骨折を認めることもあります。

また、まれですが治療せずに放置すると細菌が血液中に感染し、敗血症に陥り命の危険を伴う場合もあります。

犬の歯槽膿漏治療費

基本的に麻酔をかけた上での治療になりますが、歯槽膿漏がまだ進行していない場合は麻酔なしで治療することもあります。

麻酔下での治療費は歯石除去でおよそ2万円ほどです。

さらに抜歯も含めると5万円ほどになります。

人の病院と違い、動物は病院により検査費用や手術費用が異なるのでより高額な場合もあります。

犬の歯槽膿漏の治療方法

歯槽膿漏の原因は歯垢、歯石に存在する細菌による炎症であるため、機械的に歯垢および歯石を除去することが治療法となります。

歯磨きで歯肉の炎症が治まれば麻酔下での治療は必要ないですが、改善しなければ麻酔下で歯肉の外側および内側に付着している歯垢と歯石を除去し、その後の歯垢・歯石再付着予防の為に歯冠部 (歯肉から出ている歯の部分) を研磨します。

また歯をクリーニングする前後で抗生剤を使用し細菌感染を抑えることも重要となります。

すでに歯根に炎症が拡がっている場合や瘻管が形成してしまっている場合などは抜歯する必要があります。

犬の歯槽膿漏予防

歯肉の縁のみに歯垢が存在する場合は、毎日の歯磨きのみで正常な歯肉に戻ることが多いですが、歯磨きのみで歯肉炎が改善されない場合、すでに歯石が形成されている場合が多いです。

歯石は歯磨きでは除去できない為、そのような場合、全身麻酔下での歯垢および歯石の除去が必要です。

理想的には毎日歯磨きを行い、動物病院で定期的に歯科検診を受け、予防的に歯面に付着している歯垢や歯石の除去をしてもらうことです。

自宅でいきなり歯磨きすると動物にとってはストレスになり嫌がる犬も多いです。

最初は口の周りに触ることに慣れることから始めましょう。

口の周りに触り、触る度に誉めることを繰り返します。

訓練中は誉める際におやつを与えても良いです。

慣れてきたら、口の中にも触るようにし抵抗感をなくしていきます。

歯ブラシも最初は嫌がるので、デンタルシートやガーゼから歯磨きを開始し、徐々に歯ブラシに移行するのがお勧めです。

その他、口腔内スプレーや歯垢付着予防療法食、デンタルガムなどもありますが、これらはあくまで補助的な役割しかありませんので、あくまでも歯磨きにプラスして使用することをお勧めします。

よく固いおやつやおもちゃなどを与えて予防しているという方もいらっしゃいますが、これらは歯を傷つけてしまい逆効果なので、気を付けましょう。

犬の歯槽膿漏の薬・サプリメント

薬で有用なものは抗菌薬と抗炎症剤ですが、根本的な治療にはなりません。

あくまで対症療法であると考えておきましょう。

歯科用のクロルヘキシジン溶液による口腔内の洗浄も病気の制御には有効です。

またサプリメントとして口腔内の細菌の増殖を抑えるものも多種販売されています。

サプリメントですので補助効果以上のものを期待はできませんが、歯肉炎の予防としては有効です。

犬の歯槽膿漏・保険

全身麻酔下での歯科処置の費用は高額である為、ペット保険が適応となるかは重要な要素ですが、犬の口腔内の病気に関してはペット保険会社により補償適応とならないことがあります。

その為、事前に口腔内の治療を対象としているペット保険会社を選ぶ必要があります。

また歯石除去は対象外でも全身麻酔下での歯科処置は対象である場合や、歯石除去も歯槽膿漏の治療の一環であれば対象とするペット保険会社もある為、よく調べなくてはなりません。

 



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