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犬の巨大食道症の症状・完治・食事・治療方法・予後

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犬の巨大食道症について

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犬の巨大食道症について

犬の巨大食道症の症状

巨大食道症とは食道の筋肉が上手く機能せず、常に弛緩して拡張した状態になる事により、食べ物を食べた数分から数時間で吐いてしまう病気です。

通常ならば、食べ物を食べた時食道括約筋が働き胃に食べ物を送ります。

しかし巨大食道症の場合この食道括約筋が上手く機能しない為、食べ物が胃まで運ばれにくくなります。

この食道内の物を吐きだすことを吐出といい、事前にえずくなどの症状が無い為、通常の胃の中の物を吐きだす嘔吐と吐き方が少し異なります。

普通に吐き気を催しての嘔吐とは違うので、食欲に関係はありませんが、食欲に問題がないのに一日に何回も嘔吐する場合はこの病気の疑いがあるかもしれません。

酷い症状の子だと食べ物を吐いてしまうので体重が減少したり、吐いた物の一部が肺に入り込み誤嚥性肺炎を起こしてしまい、それが原因で死に至る事もあります。

また、巨大食道症の場合吐出を繰り返す事により食道炎も併発している事が多く、この場合食欲不振やよだれ、発熱などの症状が現れます。

犬の巨大食道症は完治するのか

巨大食道症は基本的に完治が難しい病気です。

先天性の物と後天性のものがあり、先天性巨大食道症の場合は原因ははっきり解明されていません。

後天性の場合はその原因となっている病気を調べる事が重要になっており、原因となっている病気の治療をする事で食道機能が改善する場合もあります。

いずれの場合も完治は難しくても、早期発見・早期治療により体の負担を減らしてあげる事ができます

ただし、早期に巨大食道症の症状を発見し、その原因となっている病気が判明し、病気の治療が可能な場合は完治する事もあります。

犬の巨大食道症で気をつけたい食事

巨大食道症の場合食事は基本流動食等の粥状のものを与えます。

吐出が症状としてでる病気なので栄養も取りにくい為、栄養バランスにも気を付けなければいけません。

ただ、巨大食道症の場合食事内容を改善するというより、ご飯の与え方に気を付けなければいけません。

犬に食事を与えた後すぐに立たせるか縦抱きにする。

もしくは高い台等に食事を置き、立たせたまま食事を食べさせます。

そうすることによって重力で胃まで食事を運ぶという食事療法があります。

その後もすぐ体勢を戻さず、10分から30分犬の頭を下がらないように体勢を縦にキープしておきます。

また食事の量が多いと食道にたまりやすい為、少量の食事を一日数回に分ける事も効果的です。

犬の巨大食道症の治療方法

巨大食道症の治療は内科的治療と外科的治療があります。

しかし、先天性後天性共に有効な治療法はないと言われています。

主に食後立たせる等の食事療法を行ったり、ストレスのない生活環境にするなどの健康管理が重要になります。

その他に食道炎や誤嚥性肺炎を起こしている場合には抗生物質の投薬などの内科的治療が行われます。

後天性が原因の場合は何らかの病気が原因となり発症している場合もあります。

原因が分かった場合はその根本となっている病気の治療が行われます。

例えば食道に腫瘍がある場合にはその腫瘍を切除したりします。

食道の一部を切除し短くするという外科的治療もありますが、後天性で原因がはっきりとわかっていて手術が有効である場合以外は、あまり効果は期待でいません。

また、吐出が酷く肺炎を繰り返す場合には胃に直接チューブを設置する方法もあります。

犬の巨大食道症の予後

巨大食道症は放っておくと気管支炎や誤嚥性肺炎を起こしたり、上手く栄養が取れなくなったりと発症から二年以内に命を落としてしまう子が多い病気です。

原因不明だから。どうせ完治しないからと放置したりするのではなく、適切な処置や治療、毎日の健康管理を心がけてあげ、少しでも症状を和らげてあげるようにしましょう。

 



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