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犬のチアノーゼについて
犬のチアノーゼとは
正常な犬の舌の色はピンクから淡い赤色ですが、呼吸困難の症状に伴って赤紫色から青紫色になります。
犬のチアノーゼの原因
チアノーゼを引き起こす原因となるものには次のようなものがあります。
・気道閉塞
気道閉塞を生じるものには
熱中症によるもの
短頭種気道症候群
咽頭内異物
気管内異物
咽頭麻痺
気管虚脱
気管腫瘍
咽頭虚脱
咽頭腫瘍
などが挙げられます。
・肺疾患
肺水腫
肺出血
肺血栓塞栓症
慢性肺疾患
の末期などが原因となります。
・心疾患
ファロー四徴症(肺動脈狭窄症、右心室肥大、心室中隔欠損、大動脈騎乗)なども原因となり得ます。
・喘息発作
喘息発作を起こすと気管支が閉塞します。
犬のチアノーゼの症状
舌が赤紫色から青紫色になり、多くの場合犬座姿勢(おすわりの姿勢)となり、首を伸ばして動けなくなります。
重症の場合は、起立出来ずに横になってしまいます。
チアノーゼに伴い血圧や脈拍の変化や疲労感、意識障害、不安感や恐怖感を示すこともあります。
気道閉塞の場合では口を大きく開けてヒーヒー、ガーガーといった異常呼吸音を伴い、胸を大きく動かし肋骨のラインが浮き上がるような、苦しそうな呼吸をします。
犬は呼吸することで上昇した体温を放熱しているので、気道閉塞を起こすと体温が上昇します。
そのため更に呼吸数が増加し、気道粘膜の炎症が悪化し気道が殆ど閉塞してチアノーゼを起こします。
肺水腫などの肺疾患の場合では、口を大きく開けて浅く速い呼吸をし、症状が悪化すると深く速い呼吸になります。
犬のチアノーゼの対処方法
自宅で出来る対処は、体温の上昇があれば風通しが良く涼しい場所に移動し、保冷剤などで身体を冷やします。
うちわや扇風機の使用も有効です。
そしてなるべく早く動物病院へ向かいます。
緊張や不安も呼吸困難を悪化をさせる原因となるので、飼い主さんがまず落ち着いて、優しく声をかけるなどして安心させてあげましょう。
また、チアノーゼを引き起こすような病気を元々もっており日常的に備えておく必要があるケースでは、ペット用の酸素室をレンタルする方法もあります。
酸素室に入ると、犬はとても楽になります。
但し、酸素室は機械から音がしたり、室温管理が難しかったり、犬が狭い酸素室に入れられることで反って興奮してしまうことがあります。
費用もかかることなので、メリットとデメリットを考えレンタルを検討しましょう。
犬のチアノーゼの治療方法
チアノーゼは命にかかわる低酸素状態なので、緊急処置が必要です。
病院ではすぐに酸素投与を開始し、40℃以上の体温上昇があれば保冷剤や水で濡らしたタオルを使用し体温を下げます。
外部冷却が非常に有効なので、酸素濃度と温度管理が同時に出来る集中治療室(ICU)の設備での管理が理想的です。
緊急処置を10分以上続けても改善する様子が見られなければ重症の肺疾患が予想され、そのまま失神し呼吸が停止してしまう可能性があるので、気管内に気管チューブを挿入して呼吸を管理します。
咽頭麻痺や咽頭腫瘍などがある場合には緊急気管切開を行うことがあります。