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犬のジステンバーについて
犬のジステンバーの症状
感染初期に発熱を起こし、一旦平熱に戻ります。
免疫力のある成犬などではそのまま治ることもありますが、仔犬や免疫力の低下した犬では再び発症します。
主な症状として発熱、目ヤニ、鼻水、くしゃみ、結膜炎のほか発咳、呼吸困難などの呼吸器症状、下痢や血便といった消化器症状、食欲不振などの症状を起こします。
更に症状が進行すると、ジステンパーウイルスは脳に侵入しウイルス性脳炎を起こし、痙攣発作や震え、後足の麻痺が見られます。
また、ジステンパーに特徴的な症状として、鼻や四肢の肉球が角質化して固くなる「ハードパット」も見られます。
犬のジステンバーの検査
動物病院で専用の抗原検査キットを使う方法と病院から検査機関に検査を依頼する方法があります。
多くの場合は検査キットを使い20分程度で判定されます。
糞便や目やに、鼻水、唾液などから犬ジステンパーの抗原を検出することで感染の有無を調べます。
検査キットでの検査費用は4千円前後です。
犬のジステンバーの潜伏期間
多くの場合は3~6日程で発熱などの症状が見られますが、飼い主さんが気付かないことも多いようです。
発症するまで1週間~4週間かかる場合もあります。
犬のジステンバーウイルスのワクチン
母親からの母子免疫が失われ、様々な病気に感染しやすい状態になる生後約6~12週齢に複数回ワクチン接種を行い、犬ジステンパーウイルスの抗体を獲得することが大切です。
成犬になってからも定期的にワクチン接種をする必要があります。
但し、ワクチンを接種する前にジステンパーウイルスに感染していた場合にはワクチンの効果は得られません。
ジステンパーウイルスには2~11種の混合ワクチンがあります。
ワクチンの種類は生ワクチン(ウイルスを弱毒化したワクチン)です。
犬のジステンバー治療方法や期間
犬ジステンパーウイルスに特異的に有効な治療薬はまだ開発されていません。
二次感染対策を目的とした抗菌薬の投与や、ウイルスを抑制するインターフェロンの投与などが行われる他、症状に応じて下痢止めや整腸剤・制吐剤・抗痙攣剤などを使用し、脱水を起こしていれば輸液や栄養補給を行います。
症状の悪化を防ぎつつ、体力や免疫力の回復を待ちます。
犬のジステンバーの後遺症
後遺症が残る確率は約50%と言われています。
神経に障害が残った場合では手足や顔の筋肉が小刻みに震える症状(チック)、身体の麻痺が残るほか、失明したり歯のエナメル質形成不全になる場合があります。