保健所にいる犬について
保健所の犬の引き取り条件
保健所に保護されている犬を引き取って飼うには下記の条件をクリアする必要があり、また、お住いの市や県などの自治体によって譲渡内容が変わってくるのであらかじめ確認する必要があります。
【譲渡条件】
・飼養環境が集合住宅又は借家の場合は、動物の飼養が認められていること。
・賃貸契約書または管理規約の提示。
・譲渡前講習会の参加(「犬・猫教室」「犬・猫の確認と説明」「譲渡」と最低3回の来所が必要です。)
・住んでいる都道府県の保健所での譲渡。(他の県で管理されている動物の譲渡は対象外)
・年齢が65歳以下の成人であること。
・預かり受ける動物の習性・生理等を理解し、終生飼養することができる状況にあること。
・保健所で約束した内容を遵守できること。(譲渡される、動物の性格や病気、注意事項など)
・先に住んでいる犬・猫がいる場合はそのペットの不妊去勢手術及びワクチン接種が済んでいること、また市町村への登録及び狂犬病予防注射(各証明書を提示する)
・引き取りを希望する犬・猫の個性と希望者の状況によっては希望の犬・猫が合わない場合、譲渡できない事もあります。
保健所の犬の引き取り料金
各都道府県によって異なり、例えば神奈川県保護センターの場合、避妊去勢手術及びマイクロチップ挿入代金としてメス犬7.995円オス犬4.200円がかかります。
横浜市保健所の場合は狂犬病予防法にもとづく犬の登録手数料3.000円が必要になります。
この様に県と市でも料金が変わり、自治体によって引き取りの料金が変わってきます。
保健所と連携している動物愛護団体を通して犬・猫を引き取る場合、引き取り条件が厳しくなるだけでなく寄付金の金額も高くなります。
・保健所で犬猫を引き取る場合
住んでいる自治体の保健所で管理されている動物しか引き取れない。
(他の市・県の動物の譲渡ができない)
・動物愛護団体(里親団体)から犬猫を引き取る場合
譲渡の際は県が違っても引き取ることができますが、譲渡条件が厳しく、団体によっては寄付金の金額が1~10万円かかり、年間費を払い続けなければならない団体もある。
保健所の犬の処分費用
平成29年度に殺処分された犬・猫は43.216頭。
犬の処分費用は各都道府県で異なります。
その理由として二酸化炭素(CO2ガス)を用いて大量に処分するのか、麻酔注射で1匹ずつ安楽死させるかで掛かる費用が変わってくるのが理由です。
二酸化炭素(CO2ガス)の場合1匹あたり80円前後から費用がかかりますが(処分数によって変わります)麻酔注射の場合1匹あたり数百円と高額になってはくるものの二酸化炭素より苦しませる事がありません。
二酸化炭素での殺処分が未だに多い日本は、動物愛護精神が高いドイツ・イギリスなどにも問題視されているのが現状です。
保健所の犬の処分期間
都道府県 | 保管期間 |
北海道 | 所有者あり1日以上・所有者不明4日以上 |
青森県 | 3~7日 |
岩手県 | 0~14日 |
宮城県 | 1~7日 |
秋田県 | 1~7日 |
山形県 | 1~14日 |
福島県 | 1~14日 |
茨城県 | 1~5日 |
栃木県 | 1~14日 |
群馬県 | 5~14日 |
埼玉県 | 1~7日 |
千葉県 | 1~14日 |
東京都 | 7日 |
神奈川県 | 1~5日 |
新潟県 | 4~14日 |
富山県 | 3~7日 |
石川県 | 1~14日 |
福井県 | 1~14日 |
山梨県 | 1~4日 |
長野県 | 1~1ヵ月 |
岐阜県 | 0~5日 |
静岡県 | 3~7日 |
愛知県 | 1~7日 |
三重県 | 1~5日 |
滋賀県 | 1~11日 |
京都府 | 1~7日 |
大阪府 | 1~3日 |
兵庫県 | 5~7日 |
奈良県 | 1~7日 |
和歌山県 | 3~7日 |
鳥取県 | 1~7日 |
島根県 | 1~7日 |
岡山県 | 1~4日 |
広島県 | 4日 |
山口県 | 1~7日 |
徳島県 | 7日 |
香川県 | 4日 |
愛媛県 | 6~7日 |
高知県 | 7日 |
福岡県 | 1~10日 |
佐賀県 | 1~14日 |
長崎県 | 7日 |
熊本県 | 2~20日 |
大分県 | 1~14日 |
宮崎県 | 1~6日 |
鹿児島県 | 7日 |
沖縄県 | 1~5日 |
老犬や体に障害がある場合保管期間を待たずに当日処分される事もあります。
保健所での犬の処分方法
犬猫の殺処分は決して安楽死ではありません。
日本のほとんどの保健所ではCO2ガス(二酸化炭素)による殺処分を行います。
犬の場合は2畳ほどの大きさの部屋にガス室に柵で押しこまれ、(又は捕獲棒で連れて行かれます。)すし詰め状態になりCO2ガスが放たれます。
二酸化炭素には麻酔作用があるため、安楽であると言われていますが、実際はもがき苦しみ、呼吸量の大きい子や老犬・体力低下しているものから倒れ込みます。
呼吸量が少ない子犬・体力がある子はなかなか二酸化炭素が体に回らず長く苦しみ倒れ、死亡を確認するとすぐに焼却炉に移され、燃やし灰にして、最後は一般ゴミと一緒に埋められます。
※熊本市・京都市は鎮静剤と麻酔薬の注射による安楽死に切り替えられています。