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犬の便秘について
犬の便秘の原因
人と同じように、犬も運動不足や水分の摂取量が少ないと便秘がちになります。
また、下記のような病気が原因で便秘になる場合もあります。
・腸閉塞
消化管の内容物が物理的に腸を通過出来なくなった状態を腸閉塞と言います。
最も多くみられる腸閉塞の原因は、誤って飲み込んだおもちゃやビニールなどの異物によるもので、他にも腫瘍や腸炎により腸閉塞を起こすことが考えられます。
・直腸腫瘍、結腸腫瘍
腸に発生する腫瘍には、良性の腺腫や平滑筋腫、悪性の腺癌、リンパ腫、肥満細胞腫などがあります。
腫瘍の種類にもよりますが、便秘の他に食欲不振・嘔吐・下痢・黒色便・血便などがみられます。
・前立腺肥大・前立腺腫瘍
去勢手術をしていない雄犬に多くみられます。
前立腺は男性ホルモンの影響で加齢と共に大きくなります。
肥大の程度が大きいと前立腺の上にある直腸を圧迫し、排便困難になります。
・肛門付近の病気や怪我
肛門嚢に細菌が繁殖して炎症が起こる「肛門嚢炎」や肛門付近の外傷などにより排便時に痛みを伴う場合、犬が排便を我慢して便秘になる場合があります。
また、肛門周囲の腫瘍により大腸が圧迫され、排便困難になることもあります。
・神経障害
脊髄の神経が圧迫される椎間板ヘルニアや、脊椎に細菌や真菌が感染する椎間板脊椎炎が原因で感覚が鈍くなり便秘を引き起こすことがあります。
便秘以外にも、神経障害が起こると排泄の回数が減ったり、逆に尿や便を漏らしてしまう場合もあります。
・会陰ヘルニア
肛門周囲を会陰と言い、そこに発生するヘルニアが会陰ヘルニアです。
去勢手術をしていない高齢の雄犬に多くみられます。
腹腔内にある腸管や膀胱などの臓器は、本来は腹圧がかかっても筋肉群によって支えられていますが、何らかの理由により筋肉が痩せて裂けてしまうと、腹腔臓器を支えきれなくなり会陰ヘルニアが発生します。
会陰ヘルニアになると直腸が変位して便がスムーズに排出されなくなり、直腸内に便が詰まり直腸が拡張します。
そのため、便意があっても排便されなくなります。
会陰部に膀胱が押し出されると、尿道を圧迫して排尿困難になり緊急を要する場合もあります。
犬の便秘の症状
排便姿勢を取るも便が出ない・お腹がガスで膨れる・食欲不振・嘔吐・脱水などの症状がみられます。
腸の腫瘍や会陰ヘルニアによる便秘では、扁平状の便を排泄することもあります。
犬の便秘は何日くらい様子見たらいい？
食餌の量や内容によっては1～2日排便が無いこともあり得るので、便が出なくても元気や食欲があれば心配ありません。
しかし何日も続くとガスが腸に溜まり、腹痛を起こし体調不良の原因となるので、様子をみるのは危険です。
便秘と共に嘔吐やお腹が膨れるといった症状がみられたり、丸2日以上排便が無ければ速やかに動物病院を受診しましょう。
犬の便秘を解消する食べ物
食餌は排便がスムーズになるように繊維質の多い食餌に切り替えます。
ロイヤルカナンの「消化器サポート(高繊維)」は消化性が高く、食物繊維の含有量を高く調整されています。
但し、フードを切り替える場合は獣医さんに相談してから切り替えましょう。
犬の便秘を促進させる食べ物
カルシウムを摂取し過ぎると便秘の原因になります。
また、人工添加物や植物性たんぱく質の多い食餌は消化不良を引き起こし、便秘になる可能性があります。
犬の便秘の対処法・解消法
便秘の原因にもよりますが、腸の蠕動運動が弱くなると便秘になりやすいので、適度な運動をさせ排便を促しましょう。
また、便をスムーズに出す為に水分補給も大切です。
水分摂取量を増やすには、ドライフードをお湯でふやかす、ウエットフードを使うといった方法があります。
動物病院では必要に応じて浣腸をし、便やガスの排出を試みます。
獣医から食餌についての指示があれば適切なフードに切り替えます。
フードを変えるだけで症状が改善される場合も多くあります。
便秘の原因となる病気があれば、根本的な病気の治療が必要です。
犬の便秘解消のマッサージやツボ
便秘解消のツボを押すには、まずはお臍を探します。
お臍は人のようにはっきりとはわかりませんが、お腹の真ん中辺りの毛が生えていない所にあります。
お臍周り1～1.5cmくらいの所に胃腸の調子を整えるツボがあるので、優しくゆっくりマッサージをしてください。
臍が良く解らなければ、お腹を円を描くようにマッサージするだけでも効果が期待出来ます。
