犬の健康管理

犬の痙攣の原因と発作時の対処法

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犬の痙攣の原因

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犬の痙攣の原因と発作時の対処法

犬の痙攣発作の原因

痙攣は、自分の意識と関係無く筋肉が急激に収縮することによって起こる発作です。痙攣を起こすパターンには様々な種類があります。

原因は大きく分けると「脳の異常」「神経伝達の異常」「筋肉の興奮性の異常」の3つが挙げられます。

・脳の異常によるもの
痙攣を起こす代表的な病気として「てんかん」があります。
てんかんでは、筋肉の収縮を支配している中枢神経系に原因不明の異常興奮が起こるために、筋肉が収縮します。
全身性に起こる場合と体の一部に限局して起こる場合があります。
また、犬ジステンパーや狂犬病などの感染症で脳炎が起こった場合や脳腫瘍が出来た場合には、中枢神経系に異常興奮が起こることがあり、その結果痙攣を引き起こします。

・神経伝達の異常によるもの
神経から筋肉へ刺激を伝達する物質をアセチルコリンと言います。
アセチルコリンは通常時間が経つと分解されます。
しかし、農薬や殺虫剤を摂取したりするとアセチルコリンの分解が妨害され、いつまでも体内に残ります。
すると、筋肉の収縮をが続き痙攣を起こします。

・筋肉の興奮性の異常
血液に含まれるカルシウムは、神経細胞の膜の安定に関与しています。
しかし血液中のカルシウムの濃度が低下すると、より低い程度の刺激で興奮するようになります。

低カルシウム血症になると、運動神経の繊維の活動が異常興奮することにより自分の意志とは関係なく手足などの筋肉が痙攣を起こします。

授乳中の母犬(特に興奮しやすい小型犬)や、「上皮小体機能低下症」という副甲状腺ホルモンの作用が弱くなることで発症する病気の犬に多くみられます。

犬の痙攣発作時の対処法

痙攣を起こすと、身体が硬直し震える・犬かきをするようにもがく・嘔吐・失禁・大量のよだれ・呼吸が早くなる・意識が朦朧とする・チアノーゼを起こすといった症状がみられます。

発症時には無意識に身体が動いてしまうので、近くにぶつかると危険な物があれば遠ざけ、犬の安全を確保しましょう。

大きな声で話しかけたり、身体を揺らすと刺激になってしまい良くありません。

正常な判断が出来なくなり飼い主さんが咬まれてしまう可能性もあるので、むやみに手を出さずに見守りましょう。

吐いた物やよだれを誤って飲み込んでしまう可能性があるので、身体の側面を下に横向きにし、口を下に向けます。

口の中によだれや分泌物が溜まっている場合、ガーゼなどで拭います。

犬が痙攣するを見た時はショッキングで慌ててしまうかもしれませんが、心を落ち着かせて犬の為に出来ることを考えましょう。

痙攣の時間や犬の様子をメモなどに記録したり、動画を撮っておくとその後の治療に大変役立ちます。

また、痙攣を起こす前の症状(前駆症状)として、一般的に気分の変調・食欲不振・元気が無くなる・流涎・沈うつなどの様子があります。

これらの様子が見られたら、先に犬の安全を確保し、動画を撮影する準備をしておくと良いでしょう。

病院では、犬の痙攣の様子参考に血液検査や尿検査・レントゲン検査・心電図検査・設備の整った病院ではMRIや脳波検査も行います。

一回の発作が5分以上続く場合や、完全に回復する前に次の発作が連続して起こる事を「重積」と言い、重積発作状態の犬では命にか関わるため、痙攣を一刻も早く止める事が重要です。

早急に止めるには血管から抗痙攣薬を投与します。

状態がある程度落ち着いていて自宅で管理する場合には、薬を服用します。

 



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