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猫のノミやダニ
猫のノミやダニの症状
ノミに吸血されることにより猫は痒みや皮膚炎を起こし、大変ストレスになります。
そして、子猫に大量に寄生すると貧血になります。
ノミの唾液中に含まれる成分により、一匹寄生しただけでも激しい痒みや湿疹、脱毛を伴うノミアレルギー性皮膚炎が起こることもあります。
また、ノミが以下のような病気を猫に媒介することもあります。
・瓜実条虫症
瓜実条虫はノミの中に寄生しており、このノミを猫がグルーミングの時などに食べることで感染します。
感染すると猫の便の中や肛門の周囲にキュウリの種に似た虫の一部(片節)が排泄され、しきりに肛門周囲を気にすることがあります。
下痢や痩せるといった症状がみられます。
・猫ヘモプラズマ感染症
病原体が猫の赤血球に寄生することで赤血球が破壊され、溶血性貧血が起こります。
発熱・元気消失・食欲不振・黄疸・沈うつ・脱水・脾臓の腫大・血色素尿などの症状がみられます。
猫に寄生するダニで代表的な「マダニ」は、寄生するとくちばしからセメント状の物質を出し、猫の皮膚に固着します。
そして、以下のような病気を猫に媒介します。
・日本紅斑熱
無症状の場合もありますが、発熱や発疹、血液細胞の異常などの症状が出る場合があります。
・Q熱
感染しても殆ど症状はありませんが、胎盤で大量に細菌が増殖するために妊娠していた場合は流産を引き起こします。
猫のノミ・ダニ取り・駆除する方法
猫のノミを取る際に、最も気をつけなければならないことが「潰さないこと」です。
ノミを潰すと、ノミ自体が死にますがお腹の卵が飛び散ってしまい、卵からノミが繁殖してしまいます。
一番有効な駆除方法は、動物病院で薬を処方してもらうことです。
市販でも様々な薬が販売されていますが、どれもあまり効果は期待出来ません。
ノミ取りくしで取る方法もありますが、ノミは素早くジャンプするため、取ってすぐに逃げられてしまうこともありますし、寄生しているノミの全てを取ることは困難です。
市販のノミ取り首輪はあまり効果が無い上に臭いが強いため、猫によっては気持ち悪くなり食欲が低下したり、吐くことがあります。
マダニを取る場合、手で摘まんで取ってはいけません。
摘まむことでマダニの中の病原体が猫の身体に入ってしまう可能性があります。
また、無理に取ることでマダニの体は取れても皮膚に食いついていた口の部分だけが皮膚に残り、炎症を起こしたり化膿することがあります。
マダニを取る場合には、ピンセットを使い頭を皮膚に残さないよう慎重に引き抜くか、無理をせず動物病院で取ってもらいましょう。
猫のノミやダニの予防薬
市販のノミやダニの予防薬は殆ど効果が期待出来ないので、動物病院で処方してもらいましょう。
首の後ろに液剤を滴下するスポットオンタイプが主流で、一剤でノミとダニが一度に駆除出来ものや、お腹の寄生虫が一緒に落とせるものなどがあります。
殆どの猫で問題なく使用出来ますが、皮膚が敏感な子では、薬を着けた部分が脱毛したり肌が荒れることがあります。
また、首の後ろにつけても垂れてしまったりして舐めてしまうと気持ちが悪くなる場合があるので、正しく使いましょう。
また、肉の味のついた飲み薬も販売されています。
スポットオンタイプで肌が荒れてしまう猫や、首に薬を付けることが難しい野良猫などにはとても便利です。
副作用としてよだれを垂らしたり吐くことがあるので、薬を飲ませた後も猫の様子を観察し、体調が悪くなるようであれば獣医さんに報告しましょう。
猫のノミ・ダニは人間にうつる?
猫に寄生していたノミやダニが人にうつり、痒みを引き起こすだけでなく、病気を媒介することがあります。
ノミは、前述した瓜実条虫や、猫ひっかき病を媒介します。
人が猫ひっかき病に感染すると、リンパ節の腫脹・発熱・頭痛なとを起こします。猫にもうつりますが猫では症状は現れません。
マダニは、人にQ熱や日本紅斑熱、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症を媒介します。
近年特に注意喚起されている病気がSFTSで、平成25年に初めての症例が確認され、平成30年10月までに、全国で392例の症例が確認され、うち65例で死亡が確認されています。
SFTSの症状は、2週間程度の潜伏期間の後、発熱・食欲低下・嘔吐・下痢・腹痛などの症状が現れ、時に頭痛や筋肉痛・神経症状・咳などの呼吸器症状がみられます。
猫のおすすめノミ・ダニ用シャンプー
ノミやダニが専用シャンプーで落ちると考える飼い主さんは多いようですが、残念ながら殆ど効果はありません。
皮膚にしっかりと食いついて吸血しているため、簡単には離れません。
また、シャンプーは医薬品部外品でありノミやダニを殺す作用がなくても良いとされています。
もしシャンプーすることにより気絶したとしてもそのまま放置すると復活し、また猫に寄生します。